若気の至り

昭和58年卒 仲矢(杉浦)美佳

 井上先生お元気ですか。陸上部で特研生だった旧姓杉浦です。私は特研生の時,おこられてばかりいました。特研発表の企画を発表している時も,井上先生の前で石田先生に滅茶苦茶おこられました。その時井上先生が,「この事がきっとこれからのあんたの人生で役に立つ。」と,言って下さいました。こんなに悲しいのだからためにならなきや損だと思い,卒業して就職してからも,今か今かとその時を待ちました。なかなかその時が訪れませんでした。3年位たった時に「この事だな。」と恩った時が確かあったと思います。私はその時何か大きな仕事が一つ終わったかの様な気がしました。
 私の親友には井上先生の事を慕っていた時期がありましたので(発表してごめんなさい),その友人を通じて井上先生のお話が色々入ってきました。卒業式の後の謝恩会で,その友人が「一生結婚する気はありません。」と言うと,井上先生が「結婚せえへんにはもったいない程の美人やな。」と言われだそうです。私はそれを聞いた時,「大学教授がそんな事言ってもいいのか。」と思い,「どうして私には言ってくれないんだろう。」と思いました。同じく謝恩会で,井上先生とその友人と私が歓談していると,今は私の夫となったその人がやって来ました。すると井上先生の顔がパッと活気づき,「あんたはこれやな。」と言われて,ウィスキーのびんをドンと前に置かれました。井上先生とその入は都会的という事で共通している気がしたので,その時私は「都会の人はみんな冷たいな。」と恩い,「どうして私には言ってくれないんだろう。」と思いました。今思うとどちらも自然な事なのにそんな風に思ったのは若気の至りというものです。ちなみにその私の夫は先日,お酒の席で井上先生とお会いし,「あんたも長距離で頑張っとったな。」(夫は跳躍と投てきが専門だった。)と言われて,がっくりきていました。
 この他にも間接的,直接的に聞いたものを合わせて,井上先生の名言はたくさんあります。これからも,これを読まれている今思われている様に「そんな事いつ言うた?」とおっしやった御本人は忘れられて,まわりの人の胸にズーンと残る名言をばらまきながら,悠々と生きていかれる事と恩います。どうか,いついつまでもお元気でお過ごし下さい。
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