井上先生御退官に寄せて

昭和57年卒 宮崎工

 我々57年率の者たちが特研で過ごした頃,井上先生はちょうどご静養中であり,直接のご指導は残念ながら受けることが出来ませんでした。
 しかし,時折来られて気軽に声をかけてくださった井上先生の印象は,強く残っています。はじめて間近でお会いしたときは,なんと大柄で恐い顔をした方かと思い(私も人のことは言えませんが)少々びびってしまいました。次の瞬間「どうや,うまいこといっとるか?」と言われたその口調の優しさと風貌のギャップの大きさはあまりに強烈でありました。
 その後,OBや学内の先輩たちに井上先生が石田先生を釣りに連れていかれた話を始めお二人のエピソードを聞くにつれ,とても羨ましいコンビだと恩い,同時に井上先生の懐の深さを感じました。我々57年率者とはお酒を共にする機会は数えるほどしかありませんでしたが,ご静養中とは思えぬ飲みっぷりで思わず「先生,いいんですか。」と聞いてしまいました。「俺にとっては薬みたいなもんや」と豪快に笑い飛ばされ,確かに先生ご自身もまわりも楽しいお酒でありました。
 井上先生,先生の楽しいお本酒は確かにへたな摂生や薬よりも先生のお体にいいものかも知れません。しかし量と定期的な体のチェックは忘れずに,ご健康を末永くご維持ください。



昭和59年3月(1984)石日先生ドイツ留学壮行合にて

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