“あこがれの的”
昭和46年卒 大西(永長)久子
私と井上先生との出会いは,今から二十二年前,当時女子学生の“あこがれの的”であった先生の研究室に,希望者大多数の中から,無事選ばれて入室出来た頃からです。
当時,先生の物理化学の研究室に入れた喜びと同時に,私の苦労が始まりました。というのは,研究室の先生にあこがれて入ったものの,研究内容は大変難しく,何の興味や楽しみもなく,ただただ難しい事ばかりで毎日が頭の痛い日々でした。それでも,先生や榊さん(現在石田教授)の助言のおかげで,卒業見込みで,某製薬会社の研究室に就職が内定しておりましたが,先生から「助手に残ってくれないか」と言われた時は,天にも昇る気持ちで即座に「ハイ」と返事したことを覚えています。それからの助手時代は,今までの学生時代と違って,毎日,研究室に通うのが楽しくて楽しくて,先生に(榊さんと一緒に)大阪味めぐりに連れていって戴いたり,色々な事を教えて戴いたり,青春時代の絶頂期でした。(当時の研究内容は,未だよく理解できていませんが,その楽しかった日々だけは,いまだに昨日の事の様に鮮明に覚えております。)
先生の教えのもとで,榊さんや三野さんが立派に先生のあとを継いで教授になられて活躍されている事,風のうわさで聞き,喜んでおります。
私は今,大学の隣りの柏原市で主人と薬局をしています。先生に教わった事は,今はあまり役に立っていませんが,夫婦で真面自に頑張って,地域医療に貢献していると自負しております。
最後になりましたが,先生どうも長い間,ご苦労さまでした。これからもどうか,昔のように若々しく,健康で頑張ってほしいと思います。
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