時間の経つのも忘れ
平成2年卒 樽井麻里子
私が,井上先生についていつもすごいなあと恩うのは,趣味の広さとその凝り方,また新しいものもすぐ取り入れてしまうところです。
音楽や映画,オペラ等,所蔵のLDからビデオにダビングし,タイプや“テプラ”で作成されたタイトルを貼って大学図書館に寄付しておられる。また,御自宅に寄せていただいてトランプゲームをした時に脇に置いてあった大きな缶の中には,旅行中に集められたきれいな外国のトランプがいっぱい入っていた。「何事にも徹底していらっしやるなあ。」と,そういうちょっとした小物にも凝っておられるのに驚いた。
最近は陶芸も始められたそうで,本屋さんから井上先生宛てに,突然どっさりと陶芸の全集が届いた時はびっくりしました。「すごい,一度にこんなに。私の一ケ月分のお給料でも買えない…。」
その重い全集を井上先生は紙袋に入れて持って帰られたようですが,途中で底が抜けたりはしなかったのだろうか。
この陶芸の絵付にしても,あらかじめ調合された顔料等を使用されるのではなく,原料のコバルトや亜鉛等(乳鉢で混ぜ合わせ,お好みの色を作るそうです)を,大学に来られる試薬屋さんに直接頼まれ,購入されていました。御自宅で奮闘されている先生の姿が浮かんできそうです。ただ,大学内では先生のこの様な御趣味やお姿に触れる機会が少なく,それがとても残念に思います。
井上先生は動物もよく可愛がっていらっしやるようで,犬や猫を数匹飼っておられます。犬にまつわるこんなお話を聞きました。井上先生が大学から高見の里駅に向かって歩いておられると,犬が一匹付いて来て,かわいそうに思われた先生はタクシー料金を二人分お支払いするという事で,犬を抱えてタクシーに乗り(犬は驚いた事でしょう),新大阪の御自宅まで連れて帰られだそうです。やっぱりそういうところが井上先生だなあと感服しました。
何事にも中途半端でなく,それでいて細かい事は気にされずおおらか,でも私達にはさりげなく細かなお気遣いを下さる,そんな井上先生のもとで,この数年間私はなんと恵まれた環境に居たのかとつくづく思います。
最後に,特研旅行・忘年会・コンパ等色々ありましたが,井上先生とご一緒させて頂いた中で一番楽しかったのは先生のお宅に遊びに行った事でした。時間の経つのも忘れ,楽しく過ごしたあの時の事は私の大切な思い出です。先生,色々と有難うございました。
平成元年(1989)特研旅行・仲良湖ビューホテルにて
平成元年(1989)特研旅行・伊良湖ビューホテルロビー 懲りない面々と…まずは水で…
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